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「おい小娘、その眼はなんだ?まるでゴミを見るような目つきじゃないか」
そもそも何でだ?コイツは無機物だよな?何で喋ってんの?
あたしの頭の中では、疑問が次々と溢れ出ていた。
いや、この際、コイツはどうでもいい。今は、うさぎを追ったいるんだから。
あたしは忘れかけていた出来事を思い出し、とりあえず扉を開けてくれるよう、頼もうと思った。
「おい扉、ここを開けろ」
「ハッ!嫌じゃ。無理に決まってる!お主のような小娘など通さんわ!まぁ、ワシの願いを了承するならいいだろう」
偉そうな口調で喋る扉に苛立ってくる。だが、ここで下手に蹴飛ばしでもしたら、一生開いてくれそうにない。
「願い?なんだ」
「そうじゃのぉー…。その、ワシの唇にキs、ギャァァァァァァァァ!!?」
やっぱりキモいと思ったあたしは、そばにあった手ごろな石を掴み、何度も扉に叩き付けた。
扉は見事に粉砕し、大きな穴を空けた。
粉砕する途中、扉の断末魔が辺り一体に木霊したが、全然心が痛まなかった。
寧ろ、清々しい気分だった。
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