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「ね、姉さん…?」
不思議と、さっきまで騒がしかった部屋が静寂に包まれた。どうやら、一瞬にして魔の領域になってしまったようだ。
「今日は学校だった筈よね?なんでアリスちゃんはここにいるのかしら」
いや、あたしは何故姉さんがここにいるのか知りたい。
背筋がゾッとする。あたしの額は冷や汗のオンパレードだった。
「えっと…」
何も返す言葉がない。それに、一言でも言い訳をしてみれば、木っ端みじんにされるに違いない。
「言い訳は家でじっくり聞いてあげるわ。ふふふ、お邪魔しました」
悪友は哀れんだ目で、姉さんに引きづられていくあたしの姿を見ている。
おい、助けろや。
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