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ここは夢、ここは夢、そう自分に言い聞かせた。現にここは夢の中の世界、他者との介入はもってのほか許されることはない。私は夢から脱出したかったが、いくら念じても現実の世界で目を閉じたのと変わらない動作をリプレイしただけであった。夢の中での人間、そしてその意思でさえも思うのまま左右することができない、夢が自分を閉じ込めて何かを伝えたいのであろうか? ふと気が付くと、そこには小さな子供がいた。場所はとある森に囲まれた城の中。西欧式のである。私は何故か少しの倦怠感をおぼえたが、少年は数度まばたきをさせながら、「いらっしゃいませ」と、笑みをうっすら浮かべながらこう言った。 「こんな場所に"舞い降りる"なんて、あなたもたいそう変わった人だ。ここには"迷いびと"はいない。夢のお告げに導かれたんだ。君の夢がここに連れてきた。」 何がいいたいのかわからなかったが、私は言(こと)を理解しようとつとめた。自分の置かれている状況がわからないぶん、私は首を縦にふらざるをえなかった。 「君はまだ夢の大切さに気がついていない。夢ってね、君の周りの人、大切な人の思念がいきかよう場所でもある。自分の感情を映し出すと勘違いしてる人はいるけれど、これは世間での認識。本当の夢は"人と人との会話"で成り立ってる。現に言い換えられる。わかるかな?」 「ええ………」 「これにわかっていないと、人は過ちを犯すよう秩序ができている。当然でしょ?コミュニケーションの阻害ってやつね。で、君はそれをやった。だから、夢でメッセージを贈ってくださったお方はお怒りになった。それをよく反省するように。ここはこういったメッセージを蔑ろにしてきた人が懺悔する場所なんだ。」 私は額に汗をたらした。言われてみると、確かにそのとおりかも知れないが、懺悔とは何を意味するのだろう。 「‥‥懺悔ですか?」 少年は金髪の短髪を手でなでて、こちらをみつめ、 「そう、懺悔しないとね」と言った。 そして、「僕がこれから部屋に案内するから、遅れずに付いてきてね」と息を弾ませ、ストレッチを始めた。 ストレッチを5分ほどやった後、私に微笑みかけ、そして走りはじめた。
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