第壱冊

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       * それから、ザリットとピットは会のたびに親しく交流する事になった。 ザリットは坑道や魔物に合った時の対処方法、そして採掘のスキルがとても高いと周りから評判がある。 それ故にピットとしても彼からいろいろな話を聞けるのはとても貴重であり、加えてまるでスポンジのようにそれらの情報を学びとろうととても意欲的だったため、会というめったにない好機会を逃すはずもない。 開始早々に彼の好きなお酒を片手に彼に話しかけるのが習慣になっていた。          * 「そう言えば前から聞きたかったんですけど、その右腕どうしたんですか?」 「ん?これか? これは去年に俺がいた坑道ですっげー大崩落があってさ。そん時にちょんぱ」 「ちょんぱって……そんなに軽く言うことですか?」           * 「ええええ、ザリットさんってB番台の炭坑権を全部持っているんですか!?」 「でもあそこの当たりは魔物の巣窟で発掘できないからって、すっげー安かったけどな」 「でもそんな所どうして買ったんですか?」 「嫌ー、ピット君のえっちー」 「えちー」 「ええっ!!?どうしてっ?使い魔さんまで同意しないでくださいよ」
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