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「そうだ!」
先生はひらめいた様に言った
「あの子達に聞いてみるわ。」
「あの子達…?」
「ここで殺された12人の生徒達よ。」
奈々はぞっとした
と同時に、お化けを信じない自分が怖がっている事に腹がたった
「佑果はどこへ行ったの?」
先生はドアの向こうの誰かに話しかけている
すると
『ゆか…赤子…まき…殺される…。』
微かに奈々の耳にも聞こえた
「佑果が赤子さん?!」
単語しか聞こえなかったが繋ぎ合わせるとそうなる
「佑果が赤子さんなの?」
先生にたずねると
「わからない…。酷く怯えているわ。きっと赤子さんが来たのよ。」
そう言ってドアを閉めた
「なんで閉めるんですか?」
「あの子達には赤子さんが恐怖なの。成仏できないままこの部屋に縛られてるのよ。もう、悲しませたくないの…。」
罪のない12人の生徒は、赤子さん
つまり、黒田美加に残酷な殺され方をされた
時は何十年も経っているのに、その恐怖に縛られているのだ
「わかりました…。
彼らは佑果が赤子さんだと言いましたよね?」
「多分。でもその可能性は高いわ。」
「だとするなら、生き残っているのは、私と先生と他に誰かいるのでしょうか?」
「真治君は生きてるのかしら?」
わからない
わからない
今の2人にはその言葉は重くのしかかる
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