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教室に入ると同時にチャイムが鳴る
いつもと変わらない朝だった
「調べるってさっき言ったけど、どうやって?」
席に着くなり真紀は言った
「それは…」
言いかけた時あの足音が聞こえた
トントントン…
ドアが開くなり翔太が言う
「起立!」
吉崎先生は教台に立ち
「礼!」
おはようございます
「着席!」
いつもの朝だった
が、
「みなさんにまた、言っておかなければなりません。」
昨日と同じだ!
「昨日もまた、閉鎖された教室に入った者がいます!」
思わず私は真紀の顔を見た
真紀も私の方を向き目を丸くしていた
無理もない、入ったのはあなただ!と言いたい気持ちでいっぱいだったからだ
「先生!ちょっといいですか?」
クラスの女子生徒が聞く
「なんでしょうか?」
「なぜ中に入ったとわかるのですか?」
二人の疑問と全く同じだった
「なぜ?
それはなぜそう思うのですか?」
「私は美化委員なので、あの階の清掃もしてます。中には入った事はないけど、あの鍵がこじ開けられた痕跡は見当たらなかったです。」
なんとも探偵物に出てきそうなセリフだ
私がそれを言いたかったなどと幾分悔しがっていると
「あの鍵自体が開けた人がつけたものだからよ!」
……
どう言う事?
昨日先生はその鍵を開けてたじゃない?
いや、正確には先生らしい人だが…
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