うわさ

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「赤子さんて知ってる?」 親友の真紀が言った 「知ってるに決まってるじゃん!」 赤子さんとは、かくれんぼをしたら出てくるお化け この辺で知らない人はいない 「その赤子さんてさぁ、ウチらの学校で出るらしいんだよね」 「嘘だぁ。確かに自殺とかあったらしいけどあんまり関係なくない?」 「でも15人は多過ぎない?」 今通ってる学校は、つい1ヶ月前に入学したばかり 赤子さんが出るなんて聞いた事もない 「名門私立だと受験でノイローゼにでもなったんじゃない?」 「15人はみんな1年生だよ。受験は関係ないよ。」 「じゃあ、今流行りの自殺サークルとか?」 そもそも私は、お化けなんか信じない お化けよりも信じないのは、人の噂だ つまり、噂に出てくるお化けなんて信じられる訳がなかった 「奈々に言ってもこれだからなぁ~。つまんないや!」 そう真紀は言うと 「急がなきゃ遅刻しちゃうよ!」 携帯の時計を見て慌てて走り出した 「ほら!奈々も遅刻するって!」 急かすように手招きした 「あんたの時計進んでんだから大丈夫だって!」 呆れたように言うと 「あっ、そうだった!」 舌を出してアホ面になる 「かわいくないからっ!」 真紀の時計は7分進んでいた
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