23608人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
「赤子さんて知ってる?」
親友の真紀が言った
「知ってるに決まってるじゃん!」
赤子さんとは、かくれんぼをしたら出てくるお化け
この辺で知らない人はいない
「その赤子さんてさぁ、ウチらの学校で出るらしいんだよね」
「嘘だぁ。確かに自殺とかあったらしいけどあんまり関係なくない?」
「でも15人は多過ぎない?」
今通ってる学校は、つい1ヶ月前に入学したばかり
赤子さんが出るなんて聞いた事もない
「名門私立だと受験でノイローゼにでもなったんじゃない?」
「15人はみんな1年生だよ。受験は関係ないよ。」
「じゃあ、今流行りの自殺サークルとか?」
そもそも私は、お化けなんか信じない
お化けよりも信じないのは、人の噂だ
つまり、噂に出てくるお化けなんて信じられる訳がなかった
「奈々に言ってもこれだからなぁ~。つまんないや!」
そう真紀は言うと
「急がなきゃ遅刻しちゃうよ!」
携帯の時計を見て慌てて走り出した
「ほら!奈々も遅刻するって!」
急かすように手招きした
「あんたの時計進んでんだから大丈夫だって!」
呆れたように言うと
「あっ、そうだった!」
舌を出してアホ面になる
「かわいくないからっ!」
真紀の時計は7分進んでいた
最初のコメントを投稿しよう!