誰?

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「例外とは何ですか?3年前の事件って自殺した人の事ですか?」 真紀が言うと、先生は少し間を置いて、ゆっくりと話し出した 「3年前、1-Cのクラスで13人の人が亡くなりました。警察は、自殺と断定しましたが、学校で妙な噂が流れはじめました。」 そう、その噂は誰もが知っている 言わなくたってすぐにわかる 「赤子さんをみなさん知ってますね? 昨日も男子が言っていましたが、…、 かくれんぼをしたらでてくくお化けだそうです。 」 あぁ、なんてバカバカしいんだ 朝の授業からこんな話しを聞かされ、揚句の果てには、皆は真剣に聞いている 何が赤子さんだ 先生まで言うなんて… 「実は、赤子さんは実在の人物です。」 ザワザワとまたクラスが騒ぐ 内心、私も驚いていた 「かくれんぼに誘われたら、断ってはいけません。」 「なんでですか?」 クラスの文が聞いた 「断れば、赤子さんの連鎖が続くからです。」 「えっ?」 みんなは不思議そうに見ていた 「連鎖?とはなんですか?」 「自殺の続行です。彼女は被害妄想の塊でした。その被害妄想の空間に、引き込まれ自殺するそうです。」 何がなんだかわからない 被害妄想の空間? 「かくれんぼを赤子さんに誘われた時だけ… その時だけが例外です。」 どうかしてる 赤子さんとか、被害妄想の空間とか、かくれんぼとか… 当たり前の様に口にしてる先生は一体誰なんだ? いや、それを真剣に聞いてるみんなも一体誰かわからない 私は真紀に 「朝言い忘れてたけど、今日の放課後あの教室に行こう!?」 「いいよ!何か秘密があるはずよね。」 真紀の目はキラキラと輝いていた 「確かめる方法は、中に入る事!いい?」 「もちろん!」 昨日の恐怖はすっかりなかった あの足音が、目の前に立っている吉崎先生だと確証したからかも知れない…
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