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トントントン…
足音が響く
だんだんと近づいてきた
「奈々?先生の足音?」
真紀は小さな声で言った
「……ちがう…。先生じゃない…。」
「奈々の言う通りホントに来た。」
佑果は驚いたように言った
「で?どうするの?捕まえるの?」
文がそう言うと
「俺が捕まえてやるよ!」
真治が今にも飛び出さん勢いだった
「ちょっと待って!」
慌ててズボンを引っ張る
「今出ても逃げられるかも知れないし、逃げられたら鍵がかかったままだよ!」
「じゃあいつだよ?」
まだズボンを握ったままだった
「鍵を全部開けた瞬間!それなら逃げられても鍵は開いてるでしょ?」
興奮しているのがわかったが声を出すわけにはいかない
小さい声で声を殺しながら話す
「わかったよ…。鍵を全部開けたら俺と翔太と、あと…誰だっけ?」
「智貴だよ!」
万莉菜は言った
「じゃあ、智貴。いい?」
万莉菜の彼氏は頷いた
トントントン…
確実に近づいてきていた
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