3/5
23608人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
歩きながら考える 時間をどうやったら止められるのか? 止まった時間は動くのか? 赤子さんとは何者なのか? 先生こそ何者か? 生きて出られる方法は? 考えても考えても解らない 「どうすればいいの…?」 時間が止まったらいいな。 なんて考えた事が今まで少しでもあった事を後悔した しばらく歩くと後ろから足音が聞こえた トントントントンッ それはゆっくりとした足音… 「なんでついてくるのさ…?」 そうつぶやくと速歩きで廊下を歩く トントントントンッ それでも足音は遠ざからない 「なんで…?こないでよ…!」 もうすでに泣きそうになりながら図書室へ向かう トントントントンッ 「やだやだやだ…。」 足音をたてないように上履きを脱ぐ ペタペタと走る トントントントンッ トントントントンッ… 図書室まではまだ遠い ペタペタペタペタッ トントントントンッ 「死にたくない…。死にたくないよ…。」 距離はどんどん近くなる トントントントンッ ペタペタペタペタッ トントントントンッ ペタペタペタペタッ 図書室につくまえに殺される そう思った文は近くの教室へ隠れた 「ハァ ハァ ハァ …。」 息があがって声が漏れる それを必死で手で塞いだ トントントントンッ 足音は同じテンポで繰り返す 死へのメトロノームの様に…
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!