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赤子さんなの? そう思ったが 映り込む影は女と言うより男だ 大柄の背の高い男 静まりかえった教室は、それだけでも気分が悪くなる 早くどこかへいって! そう必死で祈り続けたが… ドアが少し開く ガラガラ… 慌てて教台の下へ隠れた トントン… 教室へその『誰か』が入って来た 文は身を丸め、音をたてないように潜めた でも… 怖くて怖くて震えが止まらない 必死で抑えるがガタガタと勝手に動いてしまう まって!まってったら! アイツが出て行ったら好きな、だけ震えていいから! 自分に言い聞かせる 力を込めて歯を食いしばる トントン… ゆっくりと教室を廻る音 ほんの少し開いた下の隙間から覗いてみる 何かわからない… 月明かりだけじゃよく見えなかった…
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