誰?

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「真紀待ってよ!」 私は真紀と一緒にいた 「奈々早く!」 「どこに隠れんのさ?」 「図書室に決まってんじゃん!」 真紀は可愛くてスタイルもいい でも性格は男っぽくて 馬鹿 だから考えなしで行動したがる 「図書室ってもう行くの?」 「極力移動距離は少ない方がいいじゃん!」 なぜか頼もしく見えた 確かに真紀の言う通り 移動距離は少ない方がいい 何度も移動すれば見付かる確率だって高くなる 「わかった。わかったから、ちょっと待ってよ!」 何故か真紀は速歩きだ いつもなら優柔不断全開で迷いまくるくせに 「見付かったら死ぬよ!」 別人のようだ 図書室の扉の前で立ち止まる 「誰かいるかなぁ?」 「いたとしたら私達が入る音はかなりの恐怖になるはずよね!」 逃げる者 追う者 互いは誰かがわからない 「音をたてないように静かにね!」 「うん!」 そっと扉を開ける スーーーッと擦れるような音が響く 中を覗く どうやら『ヤツ』はここにはいないようだ 静かに中へ入ると突き当たりの本棚を目指す 真っすぐに歩くとすぐだった 「開けよう!」 真紀は私を見て言った 私は頷くだけだった ガラ、ガラ、ガラ、ガラ 慎重に音がしないように開ける どうやら誰もいないらしい 半分開けた所で中へ入る 真っ暗で何も見えなかった…
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