喧嘩

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中に何かがあった 恐る恐る手でそれを触る 何かのファイルみたいだ 「何それ?」 真紀は聞いた 「ファイルみたい。」 「なんの?」 埃にまみれたそのファイルを手で擦る そこに書かれた文字は 「黒田…美加…記録…簿…? こ、これって赤子さんじゃない?」 握った手は少し震えていた 「中、中早く見せて!」 真紀の心は踊っていた 新しいオモチャを買ってもらったかのようなはしゃぎ様だ 「まって、今開くから!」 身を乗り出して覗き込む真紀の身体を少し押した 「えっと…、黒田美加13才…12月12日生まれ…成績は優秀…学年トップ…?」 「赤子さん頭いいんだね。」 後ろから真紀が話しかける 「今読んでるから静かにしてよ。」 「はーい。」 気の抜けた声だ 少しイラっとしたが続けた 「彼女は…被害妄想にかかり…精神的に…不安定な状態である…。」 「言った通りでしょ?」 確かに真紀の言っていた事は本当みたいだ 何ページかめくると12人が殺された事が載っていた それもとばし、最後の方まで来たとき… 2人は固まった 「かくれんぼ…禁止…。誰1人…助からない…。助かる方法があるならば…ただ1人だけ………。」 「ただ1人だけ…?」 思わず真紀との距離が少し遠くなった 「みんな死ぬって…。」
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