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「此処はどこ?」
佑果は辺りを見回すが真っ暗で何も見えない
手探りで壁を伝うも、どこまで行けばいいのかすらわからない
「さっき喋ってたの誰?」
勇気を振り絞って言った
「…ゆか…さん…。」
直ぐ目の前で声がした
「誰?」
心臓の鼓動は早くなる
「私よ、吉崎よ。」
さっきと違う声だ
「先生?ですか?」
「そうよ。いつも聞いてるじゃない。わからない?」
いや、確かに先生の声だ
でも他にも誰かいる!
「先生だけですか…?」
すると先生は笑い出した
「クスクスっ。佑果さんて面白いのね。」
初めて聞いた笑い声に違和感を感じたが笑い声はとても可愛いく、いつものあの無表情さからは想像もつかなかった
「他にも声が聞こえるんです…。」
「えぇ、確かに他にもいるわよ!フフッ」
「えっ?!誰ですか?」
「あなたって変わった子ね。聞こえるのに見えないの?」
「見えない?どう言う意味ですか?」
すると先生はライターに火をつけた
どこにあったかわからないがローソクにつけると、近くにあった机にそれを立てた
「12人の生徒があなたを見てるわ。」
先生の顔は穏やかで、綺麗な顔がより一層綺麗に見える
「12人 の生徒?」
「赤子さんに殺された、12人の生徒よ!」
佑果は回りを見渡した
何も見えない
「殺された…生徒…。つまり、幽霊ですか…?」
恐怖で言葉がつまる
「そんな怯えないで。誰もあなたを傷付けたりしないから。」
それでも佑果の身体は震えていた
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