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「……とりあえず~食べれば?」
そう言うと少女はそっぽを向き、お粥をすする。
ずびびびびー
「…うまいか?」
ずびびびびー
「…何とか言ってくれ。不安になるだろが」
ずびびびびー
「…………。」
ずびび、
「?」
少女はそっぽを向いたままお碗を突き出し、「おかわり。」と言うとすぐに白い腕を引っ込めた。
「お…おう。」
釜戸に戻り、お粥をついで刻んだ梅を乗せる。ついでに刻んだ海苔も乗せてやった。
「おら」
お碗を少女の背に差し出すと、またまた白い腕が伸び お碗を持ってゆく
ずびびびびー
ずびびびびー
ずびびびっ、っこふっこふ。
「…大丈夫か?ゆっくり食いな。」
そう言って覗き込むと
少女の目は白いお粥にのった梅よりも
赤く赤く、
「なんでっ……こんなことまでっ……してくれるの?」
「…任侠だからな。」
「…任っ…侠?」
「武士のような生真面目さも無ければ貴族のような華やかさもない。けど、どの男よりも人助けが好きな奴。それが任侠…なのかも。」
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