狂おしい程愛しているから…

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12月10日 親父が死んでからもう何年経ったかなぁ…今日はふとそんな事を思い出しながら親父の肖像画をじっと見ていたらルッツが俺の部屋にやって来た。 背も俺と同じになって声も変わっちまったルッツは惚れ惚れしちまう位に格好良い。俺と親父の育て方が良かったのかな…なんてしみじみと思い返してた。 ルッツは俺の前に来ると開口一番こう言った。 「兄さん、欲しいものがあるんだ…」 最近じゃ滅多に甘えなくなったルッツが珍しく欲しいものをちっちぇ時みたいに俺におねだりして来たから俺も嬉しくなった。 「ルッツ、何が欲しいんだ?」 笑顔で問い掛けるとルッツは目を細めて答えた。 「…帝位…」 …帝位か…今日はさすがにびっくりしちまったが、俺はルッツの笑顔の為ならなんだってやるって決めたんだ。だから今日も答えてやったよ。 「あぁ…やるよ…」 ってな…。 正直親父が死んでから自暴自棄になっていたからルッツに帝位をやった方が確実に国は発展すると思っていたからな…都合が良かった。 ルッツになら帝国を任せられる。 さ 明日から引き継ぎが忙しいな…ルッツの背中を支えて行けるように俺も頑張ろう。 親父、見守っていて下さい。
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