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目が覚めた。 オレは冷たい床の上に転がっていた。 研究…所か? 体を起こすと、目の前には巨大なハートが入った、漫画で見たような、液体で満たされた機械がボンヤリと光っていた。 薄暗い室内に、ボンヤリと浮かぶハート。 「お目覚めかね?」 不意に、どうみても博士と言わんばかりの男が現れて、言った。 男はもさもさした髭が生えた口を動かして言う。 「どうだい、このハート。なかなか綺麗じゃないか。」 ハートを見る。 ピンクで、ファンシー。しかしなにか影をおびている感じもする。 「君のハートだよ。」 …何を言ってるんだこのおっさんは。 オレの心はオレの中にあるだろう。
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