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「・・・ちょ、ちょっと」
この人、誰でも見境無しに声かけるタイプかっ。
頬を触られて、ビクッとしてしまう。少し大きくて冷たい手だ・・・。
ど、どど、どうしよう!!こ、怖いっ!!
どんどん顔が近付いてきて、怖すぎて思わずギュッと目を閉じた。
初めてのキスは、好きな人としたかった。知らない変質者とするなんて・・・。しかも、奇抜な動きだし・・・。
「いい加減にしろよ」
「あたぁっ」
頬から手は離れ、知らない人の声が聞こえて、変質者の痛がる声も聞こえて、目を開いた。
私の目の前には、さっきの変質者と格好いい人。
変質者と並ぶと、すごく真逆な感じでとても格好いい。
思わず、ポカーンと口を開けながら目を見張った。
「咲人、お前はすぐ私情に突っ走る。危うく被害者が出るとこだっただろうが」
「そんなこと僕に言わないでヨ。女の子に話しかけるのが僕なんだからっ」
「はあ、わけ分かんねーけど。見つかったから、まあ良しとするか」
そういえば、この人たちは何を話してんだろうか・・・。
「じゃあ、行くとしますか」
変質者がボソッと何かを喋り、その途端2人に両腕を持ち上げられ、宙に浮いた。
「へえ!?うわぁっ!」
格好いい人に担がれ、思わず心臓が異常に高鳴る。
でも、その前に彼らは人目を気にしないの!?
私、すごく恥ずかしい体勢だよ!?
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