*+。ハロー、何でも部。+*

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倉庫の中に入り、使い古された椅子に座らされ、目の前にはお茶と茶菓子を出された。 「・・・な、何なんですか?」 みんなからの視線を一斉に浴び、何とも言えない気持ちになる。 「部長っ!俺と咲人が見つけてきた新しい部員っす」 イケメン様に肩を再度ポンと叩かれ、「ひゃっ」と小さく声を上げてしまう。 新しい部員・・・? ・・・私が!? 「よっしゃぁ!! リュウ、咲人よくやったな!真面目で文句言わなそうだし、なかなか良い奴見つけたなー」 ちょっとチャラそうなイケメンさんがニヤリと笑いながら言う。この人が部長なのか・・・。 って・・・はいいぃ!? まさか、私、入部させられそうになってる!? 「あの、入部するなんて一言も言ってな・・・」 「ふふ、新入生って感じがして新鮮よねぇ」 言葉を遮られ、ムギューッと、お姉さんにいきなり抱き締められた。 く、苦し・・・。 「くるし・・・」 「あら、ごめんなさいね。ふふ、可愛いわね。顔真っ赤にしちゃって」 綺麗なお姉さんが私から少し離れ、顔をジーッと見てきた。 ちょっと風邪気味なのかな・・・? お姉さんを見ると、色素の薄い茶色い切れ長な瞳。 整った顔に透き通っている肌。 髪は茶色のサラサラヘア。 「き、綺麗・・・」 ボーッと見つめていたら、思ったことがポロリと出てきた。 「あら、素直な子ね。嬉しいわぁ」 お姉さんが私に綺麗なウィンクをしてくれた。 「あはは、まあ」 「もう食べちゃいたいくらい、可愛い」 お姉さんの顔が徐々に近付いてきた。 へ?ど、どういうこと? 「真司(しんじ)、いい加減にしろよ」 「はいはい、分かったわよ。ちょっとふざけただけー」 部長さんの声に反応し、綺麗な人は私から離れた。 でも真司って言ってたよ? 「真司とは?」 ハラハラしながらも、部長さんに聞いた。 「あぁ、コイツの名前。こんな格好してるけど男なんだ」 部長さんがサラリと言う。 男~~っ!? そういえば、部長さんと同じくらいの背だ・・・。    
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