8/9
26人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「な、んで…?なんで…俺を…」 俺はもはやそんなことしか考えることができなくなっていた。 「なんで、君を殺したのか、かな?そんなの、生き延びるために決まってるじゃないか」 あいつは平然と言ってのけた。 「なんで…だっ、たら、一緒に」 不思議でたまらない俺は、きっとあの女子と同じような顔をしているだろう。 そんなことに構わず、俺は尋ねた。 「嫌だよ。1人の方が効率がいい。僕にとって、クラスメートは邪魔な存在でしかないんだ。」 そういうと、俺を左足で蹴り、仰向けにした。 クラスメートが邪魔。 その言葉が、俺は信じられず、ただなすがままにされるだけだった。 もう、力も入らない。 が、俺は力を振り絞って言葉を紡いだ。 「…それでも、俺、は…しん…っじてる…」 言い終わると、くすっと笑い声が聞こえた。 あいつが俺の体をまたいで立っていた。 「そんなの君の勝手だよ。…そろそろお別れ。じゃあ、ね。」 あいつは俺の心臓があるあたりに銃をつきつけ… 引き金を引いた。 鈍い銃声と共に俺の体が波打つ。 俺の心臓に銃弾がめり込み、俺は、死んだ。 「くすっ…馬鹿だよ、人を信じるなんて。…あの子を殺したの、僕だって気づいてるのかな?」 そう言ってどこからか血のついた鎌を取り出した。 「…とりあえず、荷物はもらおっかな」 そういいながら荷物を奪い、また近くの茂みに潜んだ。 …誰かが近づくのを感じたから。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!