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「な、んで…?なんで…俺を…」
俺はもはやそんなことしか考えることができなくなっていた。
「なんで、君を殺したのか、かな?そんなの、生き延びるために決まってるじゃないか」
あいつは平然と言ってのけた。
「なんで…だっ、たら、一緒に」
不思議でたまらない俺は、きっとあの女子と同じような顔をしているだろう。
そんなことに構わず、俺は尋ねた。
「嫌だよ。1人の方が効率がいい。僕にとって、クラスメートは邪魔な存在でしかないんだ。」
そういうと、俺を左足で蹴り、仰向けにした。
クラスメートが邪魔。
その言葉が、俺は信じられず、ただなすがままにされるだけだった。
もう、力も入らない。
が、俺は力を振り絞って言葉を紡いだ。
「…それでも、俺、は…しん…っじてる…」
言い終わると、くすっと笑い声が聞こえた。
あいつが俺の体をまたいで立っていた。
「そんなの君の勝手だよ。…そろそろお別れ。じゃあ、ね。」
あいつは俺の心臓があるあたりに銃をつきつけ…
引き金を引いた。
鈍い銃声と共に俺の体が波打つ。
俺の心臓に銃弾がめり込み、俺は、死んだ。
「くすっ…馬鹿だよ、人を信じるなんて。…あの子を殺したの、僕だって気づいてるのかな?」
そう言ってどこからか血のついた鎌を取り出した。
「…とりあえず、荷物はもらおっかな」
そういいながら荷物を奪い、また近くの茂みに潜んだ。
…誰かが近づくのを感じたから。
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