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厨房を抜けて、まずは店内を見渡す。
ほとんどの客は昼休みで食事に来たサラリーマンやOLだった。
そんな中、隅にある席にいた2人組が視界に入った。いや、正確には、その2人組に俺は目を奪われてしまったのだ。
一人は眼鏡を掛けた女の人だったが、うっすら茶色のかかった黒髪に少しつり上がった目。
何よりスーツを着ているのにはっきりとわかるセクシーなボディライン。
まさに"大人の女性"と言える美人。
もう一人は男で、焦げ茶のスーツにがっしりとした体格で、オールバックの黒髪と少しだけ生えたアゴヒゲがなんとも渋い。
そこは喫煙席で、くわえたタバコが似合う。
彼を一言で表すなら間違いなく"ダンディ"だろう。
俺は年上趣味でも無ければゲイでも無い。
しかし、俺はその2人に確かに目を奪われていた。
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