1章 これが幻想入りって奴か…

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注がれた紅茶を目の前に置かれ、流石に手を付けないのはまずいと思い一口含み 「……おいしい…」 と自然に言葉が漏れていた。ふと向かい側のレミリアを見れば優雅に紅茶を飲んでいるのが見えた (…こういうのを見ると可愛いっていうよりも綺麗…だよなぁ) 「…ふぅ…さて、改めて自己紹介するけど私はレミリア、こっちが親友のパチュリー、それからメイドの咲夜よ。」 「あ、俺は榊俊也…と言います。」 「俊也ね、よろしく。」 そう言いながら手を差し伸べてきたのであわてて俺も手を伸ばし握手をした。意外に小さくて可愛い手だと思いつつ手を離した。 「今回俊也が幻想郷に来たのはパチェの魔法の失敗の所為だから、暫くは此処でゆっくりとして行きなさい。」 「あっ…有難うございま…」 「あ、敬語は要らないわ、さっきパチェと話していたぐらいに砕けた話し方で構わないわ。」 「わ、わかった…ありがとう…」 俺の返答に満足したのかレミリアが微笑み、話を続けた。 「ただ、この館は広いから徒歩だと大変でしょうし、弾幕ごっこに巻き込まれる可能性があるから、魔力の素を俊也にあげるから暫くはパチェの補佐をしながら色々覚えて頂戴。」 魔力の素…ってことは… 「俺も魔法が使えるってことか?」 「そこは貴方の努力次第ね。空を飛ぶぐらいならすぐに出来るようにはなるわ」 マジかよ…本気と書いてマジだよな? 「そういうことだから俊也、こっちに来なさい」 レミリアは微妙に頬を赤らめながら俺を手招きした。何でだろうと思いつつも断る理由も無いのでレミリアの席まで行き目線を合わせるため少し屈んだ。 するとがっちりと頭をホールドされ驚き戸惑っていると不意に柔らかいものが唇に触れた。それがレミリアの唇と判るまでそんなに時間はかからなかった。
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