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山神の場合は理事長が親の代理で支払うと聞いた。
書面通りの金額を管理画面から打ち込み、山神のIDのバンク機能を有効化する。
「山神、これが理事長がお前に許した上限金額だ。使いすぎるなよ?」
書類を渡すと、山神は凄い顔になった。
…気がする。
髪が邪魔で実際のところは解らない。
「時折…頭おかしいんじゃねぇの…?」
「まぁこの学園はそもそもの物価が高いからな。大丈夫だ。上限無しを良いことに一日で一千万飛ばしそうになった生徒もいる」
「いっせんまん…っ!?」
「っごほっ!!」
後ろで、名波が出した紅茶に噎せた男がいる。
書類は汚さないように頼みたい。
「外出できる機会が限られてくる分、敷地内に海外の有名ブランドの洋服とかを取り扱う店が有るからな、そこで出費するらしい」
「…はぁ…」
山神が呆れている。
俺も同感だがまぁ面白いと思っておけば良いのでは、と思うことにしている。
ちなみに、一応俺のカードにも上限は無い。
だが俺の場合は特待生ということで、奨学金みたいなものだ。
現時点では使い放題でも、一定のラインを越えた分は将来返すことになる。
まぁ元々得に裕福な方でも無ければ散財趣味も無い俺は、食費込みで月に五~六万円あれば十分だ。
むしろ多い。
それなのに学食無料化、教材費免除等の生徒会長特権を得たことでむしろ貯まっている。
学園からの奨学金が。
…卒業と同時に返金出来そうだ。
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