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「佐伯、わざわざ届けてもらってすまない。商品を貰えるか」
引き出しから取り出した紙とペンを持って佐伯の元に向かう。
「…は~い、どう致しまして~」
佐伯の差し出した箱と紙を受け取り、紙にサインする。
そしてその紙に書かれた数列を引き出しから持って来た紙に写す。
「ご苦労だった」
小切手を渡し、山神に小箱を差し出す。
「え、あのこれ…」
「俺からの転入祝いだ。―青薔薇の園へようこそ、山神鋼君。薔薇園の鍵の管理者として、君を歓迎する」
本来入学式で述べる挨拶だが、この時期なら入学も転入も大差ない。
「っ…!!はい…どうも…」
山神は俯いてもごもごと礼を言った。
…何故耳が赤いのか。
「げっ!!転校生ってそれ??マジかよ~…期待してたのに…会長さんと同じでオタクじゃん。気持ち悪ぃ…」
後ろから覗いた佐伯が嫌悪感も露に言った。
…見た目で判断するのは如何なものか。
俺のことなら、二年間同じ学園内に居たし、生徒会の仕事ぶりを通して考えや能力を見た上での意見と取れない事もない。
だが初対面の転校生にいきなり気持ち悪いとは…好ましくない。
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