大団円

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急にドアが空いてパーティー用の巨大クラッカーやらクリスマスの鈴やらフライパンやら、笛やらギターやらの音が軽快に鳴った 店にあった音のなる道具が総動員したような騒ぎで、どどっと店に居た人間も外に踊り出した 「おめでとー!!!!!」 「迅夜!!男だった!!俺が惚れるとこだった!!」 やんややんやと声が湧き、当の二人は突然の事にぽかんとしたまま動かない デカいクラッカーから飛び出た色紙やらテープが、ふんわり二人の頭に乗った 「え……今の」 「聞いて」 「聞いてた!!おめでとう!!幸せに立ち合わせて貰った!!」 ドンピリニヨンの何とピンクがグラスに並々と注がれ、二人に渡される 周りの顔見知りの手には既にグラスが握られていた 「ちょ、」 「じゃあ、若い二人の門出を祝して!!!!」 「さ………」 佐恵子が可愛い熊の被り物をして、高らかに叫ぶと皆グラスを持ち上げる 「かんぱーーーいっ♪♪♪」 カシャンカシャーンとグラスのぶつかる音がして、どうやら主役らしい二人のグラスにも次々と当てられる そして飲み直しだー!!!と人の波はチャンカチャンカと音を奏でながら、地下に帰って行った
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