回想

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産まれた土地を離れて朝から晩まで働き、時間があれば友達と遊び、ツユの人生には色が溢れて そんな日々にもシミが存在していた レストランには色んな役割の人間が働いている バーテンダーやコックや、全てを統括するオーナー このオーナーがツユにとってのシミだ 今までに出会った事のない人種で ツユは自分がこのオーナーに対して感じる、嫌悪と言う感情が自分の中にある事が、何よりも嫌だった オーナーにだけは 柔軟な筈が凝り固まり 柔和な筈が意固地になり ぐるぐると渦巻く憎悪の感情は張り詰め、いつしかオーナーから発する自分に対する態度が 愕然とする程セクシャルなものだと気付いてしまう
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