Chapter Ⅱ

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鳥の囀ずりで目を覚ましたセレスは、ベッドから起き上がると、大きく伸びをした。 「…………」 昨日、あれだけ眠ったにも関わらず、まだ眠い。人は、眠りすぎると逆に体力を使うせいか疲れると聞くが、人でなくても同じ事。 パキパキと鳴る関節をほぐしながら、セレスはベッドから下り、カーテンを開いた。 外は別段、天気は悪くない。せっかくだから、朝の空気を部屋に入れておこうと思い、窓の鍵に手を伸ばした。が、その瞬間、寝室の扉がノックされた。 「……何だ?」 『起きてるの?朝食を作ったから冷めない内に食べてほしいんだけど……、あ、食堂にでも行く予定だったかな?』 窓を開け、朝の新鮮な空気を吸ってからセレスは扉に近付いていき、扉の取っ手に手を掛けた。 扉を開くと、微かに良い匂いがする。そして、目の前にエプロン姿のキリクが現れたのを見て、セレスは目を見開いた。 「……本当にお前が作ったのか?貴族のくせにやる事が地味だな」 「え、ああ……だって僕、自分で作った物しか口にしないから」 そう言って、ニコッと空虚な笑みを浮かべると、キリクはセレスをリビングの食卓へ促した。  
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