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翌日、シフォンに呼び出され、何事かと事務室に向かうと何故か研究室に連れていかれる事になった。
『おい、誰も血液を提供するなんて言ってないぞ』
『オレがどんな研究してんのか興味ねぇの?良いから着いて来い』
どんな研究をしているのか気にはなっていたが、まさか自分から言ってくるとは思わなかった為、セレスは面食らう。
『……クローン技術?』
『そ。この国じゃ、牛や馬のクローンなんて当たり前だからな。オレ達の国が物資や食料を提供出来るのはそれのお蔭なんだよ』
移動しながら説明されたセレスは成程と納得する。
やたら他所の国から物資やら何やらの要請が来ると思ったらそういう事か。
遺伝子操作か……。
『研究室は地下にある』
そう言われ、薄暗い階段を下りていくと、軈て硝子張りの部屋の前に辿り着く。
硝子の向こうでは、白衣を着た者が何十人と忙しなく動いていた。
『…………』
そして、暫く部屋の中を眺めていたセレスはあるモノを見つけ、目を見開いた。
『赤ん坊……?』
何故か、赤ん坊が4人程保育器の中に横たわっているではないか。
『あぁ、あれな……』
シフォンを見ると、シフォンは何かを思い出したように顔をしかめた。
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