Chapter Ⅱ

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そう言われ、朝食を食べていた手を止めたセレスは、キリクの、先程のものとは違う穏やかな表情を見て、一瞬黙り込んだ。 平和な風景とはこういう事を言うのだろうか。 何度も思い描いていたものと寸分違わない筈なのに、何故こうも釈然としないのか。 不思議でならなかった。 「……クラスは知らないが、担任なら分かる」 「へぇ、誰?」 「確か……、ケイト・グランツ」 「…………あぁ、うん。あの人、ね。奇遇だよ、僕と同じクラスだね」 今の間は、何だったのだろうか。 セレスが怪訝そうに見ていると、キリクはニコッと笑いながらカップに紅茶を注いだ。 「お前……、グランツが嫌いだろう」 「あはは────さぁ……、どうかな?それより、学校の事で聞きたい事はない?僕で良ければ、教えてあげるよ」 「────興味が無いな」 今しがた質問を逸らされ、気分を害したセレスは、大人げなくも会話をバッサリと切り捨て、そして、困ったような笑みを浮かべているキリクを睨み付けると、椅子から立ち上がった。 「ごちそうさま」 そして、食べ終わった食器を片付け、セレスは制服に着替える為に再び寝室へと戻った。  
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