Chapter Ⅱ

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「教室に行きながらで悪いが、この学校についてまだ分からないところがあれば質問すると良い。答えてやるぞ?」 教室までの道中、無言に耐えられなくなったのか、はたまた自分の知識を自慢したいだけなのか、ケイトが唐突に声を掛けてきたが、セレスは無言で首を振る。 僕は、既に単位を習得済み。今さら授業を受ける気など、さらさらないのである。 「とりあえず、一通りの事は校長に教えてもらったので結構です」 「そ、そうか……」 ケイトは即座にバッサリと切り捨てられ、多少ショックを受けたようだが、流石は教員。あまり表には出さなかった。 「さ、此所が教室だ。先ず、私が教室に入るから、呼んだら中に入るんだ。いいな?」 黙って頷くと、ケイトは先に教室へ入っていった。教室を開けた途端、少し賑やかになったが、先程の生徒達の声を聞く限り、人数はあまり居ないようだ。 もっとも、騒いだのがほんの一握りで、他の皆が優等生なら話は別だが。 暫く無言で突っ立っていると、中から呼ばれる声が聞こえ、セレスは教室の扉をゆっくりと押し開いた。  
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