Chapter Ⅱ

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「なっ、何すんだよっ、お前!?いくら、お前が上流階級の御貴族様だろうが、やっていい事と悪りぃ事があるだろうが!!」 割れた机に座っていたのは、先程ケイトにピオーネと呼ばれていた生徒で、ピオーネは顔を真っ赤にして怒り、大股でキリクに歩み寄っていった。 キリクは、それを澄ました顔で見ている。 皆がハラハラしながら見守る中、お互い目と鼻の先ほどの距離になると、ピオーネは立ち止まった。 「何とか言えよ。あぁ、そういやお前って声が出せないんだっけか?」 声が出ない……だと? なら、僕が会話したナイトは一体誰だという話になる。 今、隣で立っているキリクも、昨日や今朝に会話したキリクも雰囲気は違えど同一人物である事に変わりはない。 この生徒は何を言っているんだろうか? 「ハッ!それでよく後継ぎに決まったよな?三大貴族が聞いて呆れるぜ!」 「お前に三大貴族の何が分かるんだ?知ったような口を叩くな」 セレスは、ピオーネの最後の言葉にムッとして、気がつけばキリクが端末機を打つ前に2人の間に割り込んでいた。  
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