Chapter Ⅱ

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急に割り込んできたセレスに、ピオーネは一瞬怯んでいたが、軈てこめかみに青筋を立てながらセレスを睨み付けた。 「んだよ?チビ!関係ねぇ奴はすっこんでろ!痛い目にあいてぇのか?」 「僕がお前に負ける訳がない。そんな事より、お前が三大貴族の何を知っているのか話してもらおうか」 「お前っ!!」 セレスの挑発めいた言葉にまんまと乗せられたピオーネは、腕を振り上げてセレスに殴り掛かった。 だが、その拳がセレスを捉える事はなく、あげく派手に空振った反動で床に転んでしまう始末。 途端に、クラスの殆んどが爆笑に包まれた。 「馬鹿だな。真正面から攻撃をしかけて当たると思っているのか?頭を使え」 「お、おまえぇ!よくも俺に恥を……」 「言うに事欠いて何を言い出す。あれはお前が勝手に転んだのであって、僕のせいじゃない。強いて言えば、見境無しに突っ込んできたお前が悪い」 「死ね!!クソがッ!!」 なんて言いぐさだ。 自分から喧嘩を振ってきておいて言い返せなくなったら“死ね”ときた。 最近の子供は言う事が物騒だな。 等と、セレスが別の意味で感心していると、先程まで暴言を吐いていたとは思えない程、ピオーネの顔色が尋常じゃない事に気付き、セレスは訝しげに眉を潜めた。  
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