509人が本棚に入れています
本棚に追加
急に割り込んできたセレスに、ピオーネは一瞬怯んでいたが、軈てこめかみに青筋を立てながらセレスを睨み付けた。
「んだよ?チビ!関係ねぇ奴はすっこんでろ!痛い目にあいてぇのか?」
「僕がお前に負ける訳がない。そんな事より、お前が三大貴族の何を知っているのか話してもらおうか」
「お前っ!!」
セレスの挑発めいた言葉にまんまと乗せられたピオーネは、腕を振り上げてセレスに殴り掛かった。
だが、その拳がセレスを捉える事はなく、あげく派手に空振った反動で床に転んでしまう始末。
途端に、クラスの殆んどが爆笑に包まれた。
「馬鹿だな。真正面から攻撃をしかけて当たると思っているのか?頭を使え」
「お、おまえぇ!よくも俺に恥を……」
「言うに事欠いて何を言い出す。あれはお前が勝手に転んだのであって、僕のせいじゃない。強いて言えば、見境無しに突っ込んできたお前が悪い」
「死ね!!クソがッ!!」
なんて言いぐさだ。
自分から喧嘩を振ってきておいて言い返せなくなったら“死ね”ときた。
最近の子供は言う事が物騒だな。
等と、セレスが別の意味で感心していると、先程まで暴言を吐いていたとは思えない程、ピオーネの顔色が尋常じゃない事に気付き、セレスは訝しげに眉を潜めた。
最初のコメントを投稿しよう!