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さて、どうするべきか。
その人物は暫く長い廊下を歩き、そしてある一室の前で立ち止まった。
そして数回扉を叩き、部屋に足を踏み入れると、何かの書類にサインをしていたシルヴァが顔を上げる。
『どうした?』
その人物は一旦手を休めたシルヴァの目の前に行き、何枚かの書類を手渡した。
『…………』
手渡された書類は新たに加わった捕虜のリストで、そこにはセレスが捕えた敵兵の名前も書かれてある。
シルヴァはその書類に目を通すと、目の前の人物へ再び返した。
『わざわざ持って来なくても内線で呼べば済む話だろう』
『ま、何だ。近くを通ったからついでにだ』
その人物、もといシフォンはニヤリと笑う。
『後、今日はもう彼奴を部屋に帰した事を伝えようと思ってな』
『…………』
シフォンの言葉にシルヴァは怪訝そうな顔をした。
『そういや、シルヴァ。お前、ジンが普段何処で寝泊まりしてるか知らねぇか?この前部屋に行ったら居なかったんだよ』
『知らん……俺に聞くな』
シルヴァはそう言って、視線をシフォンから再び手元の書類に戻すと、カリカリと文字を書き込んでいく。
『相変わらず硬てぇよ、お前。そういう所は昔から変わんねぇよなぁ?』
『無駄話していないで戻ったらどうだ?俺は忙しい』
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