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時間が経つにつれ、予想以上に此方の状況が宜しくない中、地雷が爆発してから約4時間程で更に事態は悪化する事になる。
ガガッ、ザァー────!
突如、セレスの持っていた小型無線機から砂嵐のような音が鳴り響いた。
セレスは周りに誰の気配も感じない事を確認し、身を潜めながら無線機の応答スイッチを入れた。
『……此方、ナイト部隊。どうした?』
『ザザッ────此方、ケヴィン隊!伝令を!ガガッ、ガッ……子供が、ガガッ────を持って……ブツッ』
磁場の影響を受けているのか、所々雑音が混ざって聞き取りづらかったが、“子供”という単語をセレスは聞き逃さなかった。
切れた無線機にもう一度応答を呼び掛けたが、無意味に終わる。
ここは本当に磁場が高いようだ。
『クソ……シルヴァにも繋がらない』
苛々と無線機のスイッチを切ると、セレスはその場を駆け出した。
戦場に子供。
普通なら有り得ない筈だ。だが、その有り得ない事を有り得る事にするとしたら、子供とはつまり少年兵の事だろう。
一刻も早くシルヴァ達に報せなければ。
無線機の通信可能領域にさえ入れば、例え磁場の影響を受けようが通話出来る筈だ。
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