Chapter ⅩⅨ

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案外、歩き回っていると直ぐにまた電波を受信し、今度はクリアに音声が聞こえた。 『誰か聞こえるか!?応答しろ!!』 『……此方、シルヴァ。どうした?』 向こうで息を呑む音がして、そして確認するようにセレスの声が再び聞こえる。 『……無事なのか?』 『今のところはな。向こうは派手に爆弾まで用意しているようだからな。現状は芳しくない』 遠くで砲弾とはまた違った破裂音が響いている。 地雷よりも威力のある爆弾が爆発する音のようにも聞こえる。 『いいか、シルヴァ。よく聞け。敵国の子供が居たら迂闊に近寄るな。そいつ等は爆弾を持っている危険がある。間違っても抱き上げたりするな』 セレスの言葉にシルヴァは目を見開くと、自分が歩いてきた方向に目を向ける。 ドォオオオオンッッッ!!!! 直後、耳の鼓膜が破れんばかりの爆発音が地響きと共に鳴り響いた。        ◇ 『シルヴァ!?おい!返事をしろ!シルヴァ!』 自分が居る場所の近くと無線機から同時に爆発音が響き、無線機からシルヴァの声が聞こえなくなった。 嘘だ……。 嘘だ────!! 『シルヴァ!!返事をしてくれ!!聞こえてるんだろう!?シルヴァ!!』 セレスは悲鳴に近い声を上げて賢明に無線機に呼び掛ける。 だが、いくら呼び掛けても無線機からは虚しくもノイズしか聞こえない。 セレスは駆け出した足が縺れそうになりながらも、それでも急いで目的の場所に向かった。  
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