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そして着いた場所で目にしたのは、大破した数々の無線機の残骸と丸焦げの死体が3人程。
他は、辛うじて生きている者や爆発の影響で気絶している者が数人。
その中にシルヴァの姿はなかった。
まさか……、まさかこの丸焦げの死体の何れかがシルヴァか?
セレスは震える手でその死体に手を伸ばす。
『嘘だと言ってくれ……』
やっと、信じられる誰かを見つけたんだ。
『シルヴァッ!!』
『……ジン』
声がして、セレスは弾かれたように後ろを振り返る。
頭から血を流してはいるが、シルヴァの無事な姿を確認し、セレスは視界に涙を滲ませた。
『馬鹿が……』
『……すまん』
『……お前は……この隊の要だ。心臓だ。大将なんだ……。お前が死んだら、皆はどうなる?こんな敵地のど真ん中で路頭に迷えと言うのか?ふざけるな!』
『…………』
セレスは怒りに声を震わせ、地面に拳を振り下ろす。
まだ爆発してから数分と経っていない地面からは煙りが上がっており、熱を持った地面に振り下ろした拳や屈んだ時に地に付いた髪が焦げるのが分かった。
『お前が言ったんだろう!死なせる為に部下にしたんじゃないって!なら、お前は死んでもいいのか!?違うだろ!』
セレスの言葉に、シルヴァは何かを堪えるように口をつぐむと、爆発に巻き込まれた自分の部下を見下ろした。
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