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誰も知らない小さな国の、
小さな村の、
小さな野原で、
青くて小さな鳥は、
とても静かに、
小さな涙を流しました。
涙は鳥の頬を伝い、
小さな、名前の無い草花の葉に落ち、
やがて土の中に入り込みました
土の中に眠っていた小さな種は、
その小さな一粒の涙を、
大事そうに体いっぱい吸収しました。
小さな種は大きく育ち、
やがて大きな、
見たこともない木になりました。
その木に一羽の鳥が休んでいます。
木は囁きました。
「あなたがいてくれてよかった」
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