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「……ゆ……ゆう…おき……ゆうた…………」
かすかに声が聞こえてくる。
誰だ?僕の名前を呼んでるのは?
その声は段々大きくなっているようだ
「ユウタ、起きて。ねぇ、起きてよ」
今度ははっきりと聞こえてきた。
まだ自分は眠たく、そんな中うるさかったので、少し身体を起こしながらその声の主に言ってやった。
「あ゛~まだ学校には早いだろ?もう少し寝させてくれたって……」
そこまで言って、僕は目の前の異様な光景に気付いた。
「あんた……誰?」
「私?私はメグミ。フェアリーのメグミ。メグでいいわよ」
「ふぇありぃ?えっ?メグ?つーかなんで浮いてるの?」
「フェアリーが浮けるのは当たり前でしょ?だって羽があるんだし」
そう言われて羽らしきものに目がとまった。
本当にある……
それに身体のサイズが人に比べて大分小さい……何なんだこの生き物(?)は……
困惑しているのをよそに、そのフェアリーとか言う生き物(?)はさらに僕に追い討ちをかけてきた。
「ユウタ、もう目、覚めたでしょ?さぁ行きましょう」
「行くって何処へ?」
「そりゃもちろん、拐われた姫様のところに決まってるでしょ?」
「姫様?何で姫様のところに行かなくちゃいけないの?」
「だってユウタ、勇者だし」
は、はいぃぃ~~?
そう、これが始まりの朝だった………
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