~第一話~ 勇者の誕生

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「……ゆ……ゆう…おき……ゆうた…………」 かすかに声が聞こえてくる。 誰だ?僕の名前を呼んでるのは? その声は段々大きくなっているようだ 「ユウタ、起きて。ねぇ、起きてよ」 今度ははっきりと聞こえてきた。 まだ自分は眠たく、そんな中うるさかったので、少し身体を起こしながらその声の主に言ってやった。 「あ゛~まだ学校には早いだろ?もう少し寝させてくれたって……」 そこまで言って、僕は目の前の異様な光景に気付いた。 「あんた……誰?」 「私?私はメグミ。フェアリーのメグミ。メグでいいわよ」 「ふぇありぃ?えっ?メグ?つーかなんで浮いてるの?」 「フェアリーが浮けるのは当たり前でしょ?だって羽があるんだし」 そう言われて羽らしきものに目がとまった。 本当にある…… それに身体のサイズが人に比べて大分小さい……何なんだこの生き物(?)は…… 困惑しているのをよそに、そのフェアリーとか言う生き物(?)はさらに僕に追い討ちをかけてきた。 「ユウタ、もう目、覚めたでしょ?さぁ行きましょう」 「行くって何処へ?」 「そりゃもちろん、拐われた姫様のところに決まってるでしょ?」 「姫様?何で姫様のところに行かなくちゃいけないの?」 「だってユウタ、勇者だし」 は、はいぃぃ~~? そう、これが始まりの朝だった………
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