アリサの記憶の宝物

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この子は席が近くだからたまたま覚えていた。 性格はひどくおとなしくて存在感がないっていうか、影がうすいっていうか、とりあえず何も自分から意見を言わない子だったと思う。 この子について他に知っていることと言えば頭に着けているカチューシャをとっても大事にしてるってことくらい。 あっ!いい憂さ晴らしを思いついちゃった。 まあ悪い気もするけどちょっとからかうだけならいっか。 私はそう決めると月村のそばまで歩いて行く。 そして側に着いた瞬間月村のカチューシャを頭から抜き取った。 すると月村はすんごく驚いてこっちを振り向いた。 その驚きを見ていると憂鬱な気分がちょっとましになった。
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