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最初何をされたかわからず惚けていた月村の目が私の手の内にある物を見た瞬間見開かれた。
「ぁ、あの、それ」
月村が弱々しく呟いた。
なんでかわからないけど苛立ちはなくなり顔に笑みがうかんでくる。
「なに?」
聞き返すとビクッとしながらも月村はさっきよりも少し大きな声で
「その、カチューシャ‥‥」
と涙目になりながらも言ってきた。
「このカチューシャがどうかしたの?今拾ったんだけどかわいいから私のにしようかなって思うんだけ、」
そう言いかけた瞬間横から人影らしきものが私と月村の間に不意に現れた、
とその直後、
「パン!!!」
という音が響いた。
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