序章 夏休み

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燕達が歩いていると、すぐに更衣室に到着した。 「二人とも、どんな水着持って来たの?」燕が、空達の方を向きながら扉を開けた。すると、中から聞き覚えのある澄んだ声が聞こえて来た。 「…ありゃ?燕ちゃん達!早かったじゃない。」声の主の正体は、現地で集合する予定だった[戸高 昴]だった。 「瑠璃ネェ!皆もう来てるよ?」昴が、更衣室の奥にいる人物に手招きした。暫くして、用意が済んだ瑠璃が入り口の前に来た。瑠璃の水着は、名前のとおりの瑠璃色で何だか色気を振り撒く様な程の小さな水着だった。しかし、必死に色気を振り撒こうとする人間とは違い、瑠璃は町を歩いているだけでキモい男達から声を掛けられる。しかし、彼女には男性に対する興味が全く無く、見知らぬ男が触ろうと近寄ると、一番触れる面積の少ない地点を判別して、そこを蹴り飛ばすのだ。そうすると、大概は逃げる。しかし、小さな頃に一度だけ逃げなかった男がいた。それが章だ。 「お久しぶりね、燕ちゃん達。誘ってくれてありがとう。さっ!存分にこの海を楽しみましょ!」そう言うと、瑠璃はいち早く海に駆けて行った。 「…はぁ…ねえ、皆どう思う?これ。」唐突に、昴が燕達の前で自分の胸を摩っていた。 「年は1つしか違わないのに胸のサイズが瑠璃ネェはEカップで私はCカップだよ?なんか悔しい。」そう言うと、昴は急いで着替えを始めた。 「私達も着替ちゃお。」燕達も更衣室に入って着替えを始めた。暫くして、着替えの終わった燕達は章達の待つ場所へと向かって歩き出した。
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