71人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい?」
澤村さんは、キョトンとした顔で返事をした。
「あの…」
言わなくちゃ。
「その……俺、一目見たときから、澤村さんのことが気になってました」
俺は、緊張しすぎて澤村さんの顔をまともに見ていられなくて、視線を逸らした。
「俺と、付き合ってください!」
言えた。
だけど、急すぎて澤村さん、困ってるだろうな。
チラッと澤村さんに視線を向けると、頬をかきながら、俺を見つめていた。
「あのさ、その……えと」
澤村さんは、手を差し伸べ
「急すぎて、ほんと、今すぐ答えがだせないんだけど…まずは、友達から始めない?」
と言って、ニコッと笑った。
初めて見た彼女の笑顔に、ドキッとしつつも、俺は澤村さんの手を握った。
付き合うのは、友達から始めて、お互いのことをよく知ってからにしよう。
澤村さんに、そう言われた。
……はぁ。
先は遠いな。
最初のコメントを投稿しよう!