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「あ…」
入ってきたのは、澤村さんではなく4組の友達。
「?速水、なんか用か?」
「田畑、あのさ、澤村さん、今日部活来る?」
「澤村さんなら、今日は帰るって、さっき廊下で…って、速水?!」
美術室から、俺は全力疾走で下足センターに向かった。
下駄箱に、彼女の靴があるかを確かめたかったが、出席番号が分からなかったため、確かめることはできなかった。
……しかたない、今日は諦めるしかないか。
肩でため息を吐いて、ガッカリしながら階段を上っていると、楽しそうに会話をしながら帰る女子の声が聞こえた。
俺も家帰ろう。
あっ、でも今年は補習取ってたから、この時間に帰れないんだった。
はー、マジ最悪。
階段を上り終わり、廊下を歩いていると、後ろから急に肩をつかまれた。
びっくりして、振り返ってみると、そこには、息を切らしながら立っている女子が…
俺は、その女子の顔を見るなり、胸が高鳴った。
澤村さんだ。
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