47人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は手に持っとった黒い拳銃
を二人の中年サラリーマンに向けた
[なっ‥!なんやお前!]
《自分等、その若いサラリーマン助けな撃つで?》
[撃ったら捕まるで…自分]
《俺、捕まらへんねん。それが》
[なんでや?]
《なんでやて。おぉ!大丈夫?》
俺は若いサラリーマンにハンカチを渡した
[大丈夫です]
切れた口を少し開いて言うた
俺は若いサラリーマンから
二人の中年サラリーマンに視線を移した
俺はポケットに手を入れた
ス‥。
[えっ?]
[ヤバ‥。]
俺は二人に真っ黒な電子手帳を見せた
その中央には、
青白い光の“凶”の文字
[トリガー‥。]
一人の中年サラリーマンが
力の抜けた声で言うた
《あたりや。》
俺は、赤い光を額に向けた
[ちょっ…!止めろや!]
[ひっ!]
二人とも腰が抜けとって
上手こと歩けてへんかった
《さっきまでの勢いはどないしたんや?》
俺は、一歩ずつ二人に近づいた
[やっ…やめろ!]
アホかオッサン。
俺が簡単に殺るわけないやろ
バン!
静かになった街に
デカイ爆弾みたいな音が響いた
俺等トリガーは、自分が悪て
認めた奴を殺しても
何にも言われへん
せやから、常に銃もっとかな
あかん
悪と認めた人間を
何の躊躇いもなく、
何の感情もなく、
殺していく
それが、トリガー
最初のコメントを投稿しよう!