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「なんで、そんなに驚くの?」
少女は少しうろたえ言う。
「な、何て言うか君は人なんかどうでもいいみたいな変な人だし、変人だし」
変な人、変人はスルーする方向で、彼女のうろたえ方が可笑しくて僕は笑った。
「確かにね、僕にとって人なんて関係ない。自分が良ければそれでいい。そして人嫌いの僕には珍しく君との会話は楽しかった、だから会話相手にはなってあげられる僕も楽しかったからね」
少しの間、その後、少女は泣きながら言った。
「私やっぱり死にたくないや」
「そうかい」
「これから君に、弱音や愚痴とか、いっぱい言うかもしれないけど、それでも良い?」
「善処しよう」
「ありがとね、変な人」
「気にするな」
僕は金網の向こう側にいる少女に近付く。
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