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ほんの少し肌寒く布団から抜け出るのが惜しく感じる。
隣には今まで布団を温めていた、もう一つの体温がまだうっすらと残っていた。
下から浮上する卵焼きの匂いがいつもと変わりのない一日の始まりを表す。
シャッとカーテンを開けると寝乱れたダブルベッドがよく見える。
神楽はそれを綺麗に直し、ひんやりとした階段に足を伸ばした。
「おはよう。今ご飯できるよ。」
ダイニングキッチンのドアを開けるとオタマを手に取り味噌汁をよそう奈月が目に飛び込む。
既に奈月はパジャマから私服に着替えていて目も完全に覚めているようだ。
その姿から神楽よりもずいぶん先に起きたのだと一目で分かる。
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