4月8日

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「ここでひとまず、確認しておきます。 貴方のお父さんは、失踪されて3日目。 失踪された当日に、お父さんの携帯電話に誰からか、電話があった。 慌てた様子で夕飯時に出て行き、帰りは遅くなるかもしれないから、先に寝ていてくれと言った。 ここまではあっていますね?」 拓真の問いかけに、実花は頷く。 「では、次に。 お父さんは、何を持って行かれましたか?」 「え?手ぶらでしたが…。」 バッグなどは持って行かなかったと、首を振る。 「いえ、それはないですよ。 少なくとも、背広のポケットに携帯電話を入れている。つまり、一つは持って行った…。」 「…ああ。そういうことでしたら、ハンカチとティッシュは、持って行きました。 これは、仕事に着て行った背広姿のままでしたから…。それと、財布。 他は持って行かなかったです。」 「なるほど。」 拓真の後ろに控えている優子が、メモを取る音が聞こえている。 煙たいけれど、事務員兼助手としては、優秀だから辞めさせるわけにはいかない。 その辺は、拓真もわきまえていた。
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