記憶喪失

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「大丈――ですか?」 薬品の匂いがする… 声が聞こえる… 誰かが自分の事を呼んでいるらしい 目を醒まし重く感じる瞼を開いてみた 「あぁやっと起きましたか」 目の前の男は安堵の息をもらした 今自分のいる部屋を見渡す、部屋は全体的に白く、棚や机、そして今自分が乗っているベッド、部屋の所々にラベルの貼られた薬品の入った瓶等が置いてある 極めつけに部屋に充満する消毒アルコールの匂い 「……ここは?」 まだ頭が覚醒せず悩んだ末にやっと出た言葉がこれだった 「ここは…そうですねぇ学校の中の保健室の様な場所……とでも言って置きましょうか」 と言って微笑んでいる ――よくわからない奴だな そんなことを思っていると唐突に人差し指を立てた 「さて、次はこちらの質問ですね、まず1つ目、貴方の名前は何ですか?」 「名前……わからない……」 言い終わると更にもう一本指を増やした 「そうですか、では2つ目どうしてあそこに居たんですか?」 ――どうしてあそこにいたのか?……それは……
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