記憶喪失

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少し、自分でも何故あそこに居たのかを振り返ってみたが……白いモヤがかかった様に何も思い出せない 「それもわからない……」 「そうですか…… ふむ、記憶喪失かも知れませんね~」 ――記憶喪失…… そう言われ、頭に浮かんだのは記憶喪失と言われたショックなどではなくただ呆然とそうなのかという感想だった 「さて、ここで本題です、どこかに当てがありますか?行き場が無いなら思い出すまでここにいても良いですよ~?」 ――は?いきなり何を言っているんだ?コイツは それを聞きゆっくりと上体を上げたが傷が痛んだため黙ってベッドに背中を預け、そのままの状態で尋ねた 「……何でだ?」 「いえいえ、怪我もしているし私が最初に拾って……保護して来たので嫌でなければ良いですよ」 他意はないといった風に手でジェスチャーを付け、サッパリとした話し方で話してきた ――何を考えているんだ?こんな身元不明者を拾って そんな事を思いながらも当ても無いため 「そうか……頼む」 途中の変な所を無視し、というより気が付かずに聞き流した
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