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(………まぁ…いいや)
星は疑問を頭の隅に追いやった
辺りを見回していたオッサンが、いつの間にか鮮やかなステップも踏み出した
(えっ?なに?)
そしてオッサンはコケた……と思いきや、そのままの体勢からブレイクダンスを始めた
(すっ…凄い!)
星はブレイクダンスに興味はなかったが、その美しいツイスターには一目を置いた
そしてオッサンは決めのポージングを披露した
しかし星以外の人間はオッサンに気がつかない
すると突然
(!!??)
星はオッサンと目が合った
オッサンは一瞬
不思議そうな顔をすると
ニヤリッと星に笑いかけた
星はびっくりして目をそらした
まだ教師の体罰が続いている
星は恐る恐る目線を戻すと…
グランドには誰もいなかった
ア然とする星の耳に教師と馬鹿の会話が聞こえる
「じゃあ、26×9は分かる?」
「………分かりません」
「仕方ない、じゃあ6×9は?」
「………54?」
「正解!じゃあ26×9はもう分かるわよね?」
「42!へへっ…あってる?」
「…このッ!ド低脳がぁッ!」
また体罰が再開された
「なんで54になるのに、それより少ない数字になるんだよッ!」
教師は怒り狂っていた
(………)
星はさっきの光景を忘れる事にした
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