プロローグ

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星は困り果てていた 隣の部屋の妹が、星の部屋との間の壁をドンッドンッと叩きながら 「兄貴ボンバイェ!兄貴ボンバイェ!兄貴出てけ!兄貴出てけ!お前とお前は死んで良し!」 変な歌を歌っている… 一ヶ月前までは大人しい妹だったのに… 「はぁ~」 星はため息を漏らした 妹の事を気にしないようにノートをひたすら書き続ける 付けたテレビからは… 「ご覧くださいこの状況を!何十人という人達が暴れ…お互いに殴り合っています!」 アナウンサーがそう言いながら飛んでくる石や火炎瓶やダッチワイフを避けている ここ一ヶ月は似たようなニュースが連日放送されている 一ヶ月前までは平和な国だったのに… 「はぁ~」 星はノートを書きながらまたため息を漏らす 「どうしたんだ星?ため息ばっかりついて?」 急に別の声が話し掛ける いや、こいつは常に俺の側にいた (元はお前のせいだろ!) 星はそう思ったが口には出せない…
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